久しぶりの探偵物語②

こんにちは。

それでは前回の続きです。

俺の家に人を呼ぶのは想定外のため、
仕事に関する資料が部屋にはたくさんあった。
それらを見せるわけには行かないので慌てて、
部屋の中のものを片付ける。

俺「どうぞ」

さくら「へー。意外と片付いてるんだね」

俺「あまりその辺に触らないでね」

さくら「どうしてぇ?変なものでも隠してるのぉ?」

俺「違うよ。仕事道具とかあるから」

さくら「ふぅん。お店以外でどんなお仕事してるの?」

俺「適当に」

さくら「え?さくらバカだから、そんな風に言われてもわかんない」

俺「適当に想像しておいてよ。あまり話すつもりにならないし」

さくら「どうしてー?悪い事でもしてるの?」

俺「違うけど」

さくら「ならいいじゃん。聞かせて。ね?」

俺「人には言いたくない事もあるしね。普通にサラリーマンみたいな事してるよ」

さくら「そ。ま、いいか」

それだけ言うと、ぺたんとその場に座り込んで俺の方を見上げた。

さくら「お茶とか出してよ。さくらはお客さんだよ」

お前が着たいと言ったんだろうがという言葉を
口の中でかろうじて飲み込むとキッチンへ向かう。
面倒な人を連れてきてしまったと後悔する気持ちが浮かんでくる。

俺「あのさ、これ飲んだら、帰って・・」

俺がドアを開けながら、そう言うと、部屋の中にさくらがいない。

俺「あれ。どこ行った?」

さくら「わっ!」

俺が部屋の中心あたりに来た時に、急に隣の部屋からでて来て大声で叫ぶ。

俺「なんだよっ」

さくら「へへー。おどろいた?」

どうやら単に俺を脅かしたかっただけらしい。くそ。

俺「お茶飲んだら、早く帰ってよ」

さくら「えー。ヤダー。暇してるんなら遊ぼうよ」

俺「やだよ。明日も仕事あるし」

さくら「もう遅い時間なのに、女の子を1人で帰すわけ?」

めんどくさい女だと内心呟きながら、適当に返事をする。

俺「ならば送っていくから」

さくら「えー。いいよ。ここに泊まらせてよ。変な事しないでしょ?」

俺「はっ?」

駄目だ。まともに話していると調子が狂う。
俺はもう適当に相手をして、時間が来たら帰ってもらう事にした。
家に泊まられた日には、後で何を請求されるか分からないからな。

俺はこの時、まださくらの目的に気付いていなかった・・・。

この後に2人で、どれくらいの時間を話したのかよく覚えていない。
なぜなら気が付いた時には、俺は寝ていたらしく、意識が途切れている。
途中で、やたらと眠くなったのだけは覚えてはいるのだが。

時計を見ると、時間はすでに深夜3時を回っていた。
部屋の中にはさくらはおらず、どうやら帰ってしまったらしい。
ドアが閉められていたが施錠されていなかったからだ。
俺が寝たから、飽きて帰ったのだろうと思っていたのだが
ある事実が発覚したのは次の日の朝だった。

俺が調査中の報告書を依頼人に渡すため、荷物を準備していた時だった。

隣の部屋の机の上において置いた、報告書がなくなっていたのだ。
録画したビデオテープや、写真のネガまですべて無くなっていた。

置き場所を間違えたかと部屋中を探したのにどこにもない。

俺「無い。どこにもない」

俺が置き場所を間違えるはずもなく、
無くなるとしたら、さくらが盗んだとしか考えられない。
さくらの連絡先を知らない俺は、バイト先の店長に電話をかける。

俺「すいません。あたちゃんですけど、さくらさんに至急連絡取りたいんですけど・・」

店長「どうしたの急に?さくらさんなら昨日付けで退職したけど。」

俺「えっ?」

店長「急に夜中に連絡がきてね。辞めさせて欲しいって」

俺「連絡先だけでいいですから」

店長「それがねぇ。知らないのよ」

俺「ど、どうして?」

店長「履歴書を、まだもらってなかったのよ」

俺「普通は面接後に預かるでしょう?」

店長「一度は預かったんだけど、履歴書に不備があるから訂正して出す直しますって、最初に預かったのを返したのよ」

バイトに来たのは偶然じゃなくて、最初から俺に近づいて
とある案件の調査物をすべて処分するのが目的だった事にようやく気付いた。

俺「やられた・・・・最初から、そのつもりだったのか」

次回に続く。
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by atasakura | 2007-11-30 14:13 | 探偵物語