元探偵が日常をだらだらとテーマに沿って書き綴る。旅行記になるのか、体験記になるのか、それはこれからの秘密だ。


by atasakura

カテゴリ:奇妙なアルバイト( 3 )

こんにちは。

それでは前回の日記の続きです。

とりあえず簡単なあらすじ。
K田さんから、謎の箱を渡されて、それを届けるバイトを引き受けたが、
1度だけなら覗いてもいいと言われて、
箱の中身が気になり蓋を開けてしまった。
覗いていいのは1度だけと言われたけども、果たして・・・。

俺は恐るおそる箱の蓋を開けて、中を覗いた。

「・・・何もない?」

覗いた箱の中には何も入っていませんでした。
何やらどろりとした黒っぽい染み出た液体のようなものが
箱の底に少し見えるだけで、他には何も入ってなかったんですよ。

俺は思い切り慌てましたよ。
預かり物なのに、中には何も入ってない。
もしかしてどこかで無くしたのかと思いましたが、
箱も今まで一度も開けてませんでしたし、それはありえない。
もしかしたら、あの液体のようなものが、固形化されていて
暑さとか何かで溶けちゃったのかとかそんな事を想像しました。

とりあえずK田さんに連絡を取らなくちゃと箱をしまい、
慌てて電話するも繋がらない。
※この当時はあまり普及はしていませんでしたが、携帯は存在してました

「この肝心な時に・・・」

とりあえず自分を落ち着けると、
箱の中身について思い返してみたんです。
最初から中には何も入ってなかったんじゃないかと思いましたが
明らかに箱だけと比べると重みが全然違うので、それはありえませんでした。

まるで消えるように忽然と箱の中身は姿を消してしまったんです。

中を見てないから、本当に中が存在していたのかは確認が取れないけどね。

「さて、どうしようか・・・中身がないのに届けようもないし、素直に説明した方がいいんだろうか」

独り言を呟きながら俺は蓋を閉じて、箱を包みました。
箱の中身は僅かな黒い液体のみで、他には何もないし
渡された時より、重みが全然変わってしまっているわけなんです。

「まいったなぁ・・・」

俺は頭を抱えながら、箱を手に持って移動しようとした時に異変はおきた。
その箱をK田さんに渡された時と同じ重さに戻ってるんですよ。
別に計ったわけじゃないから、
まったく同じ重さかどうかなんて分かるはずもないけど
明らかに蓋をあけて中身を確認した時に比べるとだいぶ重くなってる。

(あれ・・・なんだろう・・・)

不思議に思い、俺は再び箱を手から離すと包みを外し蓋に手を掛けた。
その時に唐突にK田さんの言葉が脳裏をよぎる。

見 て い い の は 一 度 だ け だ 。

箱に掛けた手が蓋を開ける事を躊躇する。
だけど、中身を確認しない事には、急に重くなった原因が分からない。

俺が迷い、躊躇していると「ぬちゅ・・・・」と箱から音が聞こえた。

「な、なんだよ。今の音・・・」

耳を澄ますが、同じ音は聞こえない。
箱の外側を見ても、液体はもう漏れておらず乾いている。

中を見てみたい衝動に駆られる。
中身がない箱から聞こえた音の正体はなんなのか。

見たい。たまらなく見たい。
自分の中で命取りとも思える好奇心がうずきだす。
その好奇心で何度も痛い目にあっているのに我ながら懲りない男だと思う。

必死で好奇心を抑えながら、俺は箱を手に抱えて、歩き出した。

余計な好奇心で、痛い目に合うのはもうたくさんだしね。
それなりに時間も過ぎたし、そのまま届け先の家に向かう。
俺が玄関で呼び鈴を押すと、1人の男性が現れた。

俺「あの・・・K田さんに運びを頼まれたあたちゃんです」

男性「あぁ、君がそうなのか。そうか、彼に代わりを頼まれたのか、うん。そうか。ならば大丈夫だろう」

その男性は自分に問いかけ、何かを納得したかのようにうなずいている。

男性「この炎天下の中、荷物をわざわざ届けてくれたんだ。上がってお茶でもどうだい?」

何やら予想外の展開に戸惑いながらも、
K田さんの知り合いだし、機嫌を損ねたくない。
俺は素直にお言葉に甘える事にして、男性の自宅へとあがった。

男性「そうそう。その箱の中は見たのかい?」

俺「いえ。見てません」

男性「へぇ。そうなんだ」

俺は咄嗟に嘘を付いた。
1度は見てもいいと言われてはいたが、見たと答えたら、怪しげな品ならば
ここでこの人に何かをされてもおかしくないかもしれないしな。嘘も方便だ。

俺は応接間に案内されると、ソファに座るように促される。
お茶を勧められて、取り留めのない話を10分くらいしただろうか。
男性が急に声色を変えて、俺にある質問をしたのだ。

男性「この箱の中身だけど、気にならなかったかい?」

俺「え?まぁ・・・気にはなりましたけど」

男性「だけど、見なかったんだろう?」

俺「・・・はい」

男性「見てみたいとは思わないかい?ある日、こんな怪しげな品を渡されたら、見てみたくなるだろう?」

俺「だけど、届け物を勝手に見るわけにもいかないですし」

何か試されているのだろうか、矢継ぎ早に質問が来る。

男性「言われなかったかい?1度だけなら見てもいいと」

俺「言われました」

男性「でも、見なかった?」

俺「もちろんです」

すると、彼は満足したのか、急に満面の笑顔になり、ソファに深く腰掛ける。

男性「この箱はね。少し特別な箱なんだよ。特別なね」

俺「そうらしいですね」

男性「特別な箱だけに、誰でも運べるものではないんだ」

俺「はぁ」

男性「この箱を運んだ人間はだから1度だけ見る権利が与えられる」

俺「なんだか不思議な話ですね」

男性「特別と言っても、魔法の箱とかじゃないけどね」

男性は口元に笑みを浮かべながら答える。
心なしか、その笑みは何やら人に不快感を与えるものだった。

男性「あ、そうだ。箱の中身が気になると言ってたよね?」

俺「はい」

男性「ならば見せてあげるよ。1度だけなら大丈夫なんだから」

まずい。話が変な方向になってきた。
俺はすでに1度見ているし、もう1度見たら・・・死ぬとかK田さん言ってたけど。

俺「いや、いいですよ。遠慮しておきます」

男性「どうしてだい?1度だけなら見られるんだ。これで帰るのは心残りだろう?」

彼の笑顔がますます不気味に見える。

俺「いや、でも・・・」

男性「君が運んできたんだ。1度だけなら問題ない。見ていないんだろう?」

俺「え・・はい・・・」

今さら見たとかもう言える空気じゃない。

男性「だったら見ていけばいい。それとも・・・君は見たのかい?いや、見てないと言ったから見てないんだろう。君は嘘を平気で付くような人間じゃないよね?K田さんがよこした人間なんだから」

ますます追い詰められていく。
こいつは、すべてを知っていて、俺をいたぶっているんじゃないだろうか。

男性「大丈夫。1度だけなら死にはしないから。ね?」

そういうと彼は箱の蓋に手をかけ、おもむろに蓋を開いた。

次回に続く―
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by atasakura | 2008-08-15 19:12 | 奇妙なアルバイト

奇妙なアルバイト体験記

こんにちは。

それでは久しぶりの日記です。

今日は夏ということもあり、ちょっと怖いお話。
その手の話が苦手な人はスルーしちゃってください。

あれは今から数年前の事でした。

俺の日記を読んでくれてる人なら知ってると思いますが
俺の知り合いにK田さんという経歴不詳の謎の人物がいました。
K田さんは俺に不可思議なバイトを紹介してくれたり、謎の人脈をお持ちだったり
理解しずらい部分が多い人でしたが、俺に頼みたい事があると唐突に言ってきたのです。

少し渋い表情をした俺に気付いたのか、K田さんが言う。

K田「そんな嫌そうな顔するなよ。ちゃんと謝礼だすしさ」

俺「でも、K田さんの頼みはろくな目に遭わないじゃないですか」

K田「考えすぎだって。楽しい思いもしてるだろ?」

確かにK田さんからの依頼は、普通に生活していれば
経験できないような体験ができるものが非常に多い。
そういう意味では非常に楽しいが、ろくな目にあわなかったりする。

命の危険やら、社会的に致命傷を喰らいそうなものから、単に笑えるものだったりと様々だ。

俺「どうせやる羽目になるんでしょ?」

K田「なんだよ。嫌ならいいんだぜ?ただし、この間に壊した車の弁償を・・・」

俺「・・・わかりましたよ。やればいいんでしょ。やれば」

過去に俺が彼の依頼を引き受けた際に、壊してしまった車の話を持ち出す。

K田「やっぱり話が早いね。義理堅いやつは」

それを世間では脅しという事に早く気付いてくれ。
内心でそんな事を思いながら、どんな事をやらされるんだと緊張がとまらない。

俺「ちなみに何をやるんですか?」

K田「簡単な事だよ。荷物を知り合いに届けて欲しいんだ」

俺「え?それだけ?」

K田「そうだよ。簡単だろ?」

ウ ソ ダ 。

この人が俺に頼みごとをしてくる時は、ろくな依頼じゃないはず。
その運ぶ荷物がまともじゃないか、危険があるかに決まってる。

俺「その荷物の中身はなんですか?違法性のある品とかですか?」

K田「そんなわけないだろ。俺は犯罪者じゃないんだぜ」

軽く肩をすくめながら、K田さんが答える。

K田「ただし・・・中身は教えられないけどな」

俺「どうしてですか?」

K田「そりゃ、お前。プライバシーってやつだよ」

にやにやと笑みを浮かべながら、楽しそうに言い放つ。
違法性がないとしても、どうせろくなもんじゃないんだろうな。

K田「あ、そうそう。中身は決してみるな・・・とは言わない。
1度だけなら見てもいい。ただし、2度は見ちゃ駄目だ」

俺「え?見ていいんですか?」

K田「あぁ。1度だけならな」

俺「へー。でも、1度見たら、2度見る必要ないじゃないですか」

俺が答えると、K田さんは口元に笑みを浮かべながら答える。
心なしか、その笑みは、ちょっと不気味な感じがした。

K田「そうかな?1度見たら、2度目が見たくなるんだよ。ソイツはな」

俺はK田さんの話に頭をひねった。
見ちゃいけないといわれるのなら分かるけど、1度だけなら見てもいいとはなんとも不思議な話。
1度見たら、何回見ようが変わるものじゃない気がするんだけど。

俺「なんで1度だけなんですか?呪われるとかそんな話ですか?」

俺が笑いながら、K田さんに問いかけると、真顔でこう答えた。

K田「呪われたりするわけないだろ。そんな非現実的な話はないよ」

俺「ですよねぇ」

K田「単に死ぬだけだよ」

俺「へ?」

自分で言うのもあれだが、間抜けな声が出た。
な、なんとおっしゃいましたか。アナタ。
死ぬとか言いませんでしたか?

ていうか、やっぱり違法性があるんじゃねーか。
                  ・ ・ ・
K田「冗談だよ。冗談。単なる嗜好品さ」

あんたが言うと冗談に聞こえないんですけど。
俺はそう呟くと、差し出された荷物を受け取り、
受け渡し先の住所と連絡先を聞いて、そのまま届け先に向かう事にした。

届け先は、都内某所の住宅街の一角にある普通の一軒屋だった。
特に怪しげな雰囲気もないし、怖そうな人が出てくる家でもない。

インターホンを押すと、住人らしき女性が現れた。

俺「すいません。あたーんと申します。K田さんより、
こちらに届けるように言われた品をお持ちしたのですが、F島様はご在宅でしょうか?」

女性「F島なら外出中です。大変申し訳ありませんが、1時間後に出直していただけますか?その品は、私がお預かりするわけにはいかない品物ですので」

俺「・・・それでは、また改めます」

気になる。中の品物はなんだろうか。
身内らしい人なのに預ける事すら出来ない品物とはなんだろう。

1度だけは見てもいいと言ってたしな・・・・

う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。

悩むぜ。

ちなみに、この荷物は見た目は20cm四方くらいの桐の箱を
風呂敷で包んであるのだが、持つとそれなりに重さがあり、中はまったく想像もつかない。

俺は近場にある喫茶店に入り、F島さんとやらの帰りを待つ事にした。
本当に1時間で帰宅するんだろうか・・・延々と待たされたら、たまらない。

俺は注文を済ませると、テーブルの上に荷物をおき、暇つぶしの小説を読み始めた。
すると、何やら異様な臭いがするので、目を上げると、置いた荷物から何かが染み出している。
風呂敷が濡れていて、やや黒味のある水のようなものがテーブルの上に広がっていく。

俺「な、なんだこれ・・・」

俺は、ティッシュで慌てて、テーブルの上に広がった黒い水のようなものを噴いた。
異臭がするが、そんな事は言ってられない。
俺は荷物を手に取ると、会計を済ませて、そのまま店を出た。

怪しげな液体がこぼれだした箱を目にして、ますます中身が気になりだす。

もしかして、中身が壊れて何かが出たのだろうか。

それとも・・・。

俺「中を見てみるしかねーよな」

俺は近くにある神社に赴くと、その境内で風呂敷の包みを解いた。

桐の箱を縛る紐を解き、箱の上側にある蓋に手をかける。

ごくり・・と唾を飲み込む音が聞こえる。

俺「い、いいよな。開けちゃって・・・」

一回は見てもいいと言われたし、もう引き返せない。
高まる緊張感を抑えて、俺は蓋に手をかけると、そのまま持ち上げ、中を覗いた。

次回に続く。
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by atasakura | 2008-07-31 15:49 | 奇妙なアルバイト

奇妙なアルバイト体験記

こんにちわ。

それでは本日の日記です。

たまにはお得意の不思議なバイトのお話でもしてみようと思います。
あれはまだあたさんが若かりし頃の体験なんですが
やっぱりそんなバイトを俺に紹介してくれたのは日記常連のK田さん。

普段ならバイトの場合は事前に連絡があるのだが
その時はなぜか当日のバイト開始数時間前に連絡があった。


「あたちゃん悪いんだけど、今日ヒマならバイト出てくれないかな?」


「暇だからいいですけど・・・人手が足りないんですか?」


「いやー。バイト予定の奴が怯えて飛びやがってさ」



人が怯えるバイトとは、どんなバイトだコンチクショウ。



「で・・その人が怯えるバイトを俺にやれと?」


「他に頼める奴がいないんだよ」


「バイトの内容次第ですね。危険な事はしたくないし」


「大丈夫、大丈夫。危険はないよ」


「本当ですか?」


「本当だよ」


「ならいいんですけど・・」


「寿命が縮む事はあるかもしれないけどな」


彼の頭に思いやりという言葉を植え付けてもいいですか?


断ればいいんですが、彼には恩義もあるし
困っているようでしたので、仕方なくバイトを受ける事にしました。


「バイトの内容はどんなのですか?」


「ある建物の中に複数の配線が通ってる場所があるから、その配線を繋ぎかえるだけ」


「ふーん。ずいぶん楽そうですね」


「だろ?30分おきに、指定された順番どおりに繋ぎかえればいいだけだし」


「それでいくら貰えるんですか?」


「時給4000円だよ」


「すごいですねー。そんな楽なのにー」


「だろー。笑っちゃうだろー。ははは」


「あはは」


怪しすぎるっちゅーねん。


どこの世界にそれだけの事で、そんな金をくれるバイトがある。


だが、しかし。


ここで俺がやらねば誰がやる。

というわけで、このバイトをやる事になったのです。

連れていかれたのは、郊外にある施設で、人気が少ない建物。
大きさはそれほどでもないんですが、建物の割には人が少ない。
おまけに、微妙に薄暗くて気持ち悪いと感じる人がいるかもしれません。

俺はそこの建物になぜか裏口から通されて、直通のエレベーターで
一気に屋上付近まで上り、そこにある部屋の中に通されたのです。
そこで簡単に配線の接続方法などの説明を受けてバイト開始。

あっという間にバイトを始めて3時間が経過。

正直に言おう。つまらない。激しくつまらない。

話を聞いた時には怪しさ満載だったけど
バイトそのものは、配線を繋ぎ変えてるだけなので
面白くもなんともない。
俺が案内された部屋は壁に人型のおかしな染みがあったりして
1人でそこにいるには、とてもいい雰囲気を
醸し出しているけども、それくらい。

つまらないよぅ。

時間には余裕があるので、少し狭目の
この部屋を探索してみる事にした。

なんか面白いものが出てこないかなー。

ここが実は昔の軍事施設だったり、秘密の研究所だったりして
何かその名残があるとか、そんな素敵なイベントはないのかしらんと
書類棚を漁っていると、何やら鍵のかけられた小さな小箱を発見。

おっ、何かこの中に怪しげな物が入ってたりするんじゃなかろーか。

これぞまさしくイベントフラグ発生ですよ、ひゃっほい。


さっそく、その箱を開けてみると、
裏返しにされた紙とその下に何か入ってる。


紙を裏がえしてみると、なんか書いてある。























「愛すべき彼女よ。さようなら、僕は今日であなたを卒業します」


なんだこれ?別れた彼女への手紙か?

以前にこの部屋を使ってた職員の私物なんだろうな・・・。

もしかしたら、このバイトの俺の前任者のものかもしれん。

そしてその紙の下にはあるものが置いてあった。








































『堤さやか』の裏ビデオがな。



なんとなく前任者に親近感を覚えたセピア色の思い出。

追伸

ちなみになんの配線なのかは最後までわかりませんでした。
教えてくれないし、何かを精製してるらしいんですけど。

書き忘れてたけど、この日記は続編があります。
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by atasakura | 2007-04-16 23:33 | 奇妙なアルバイト